世代を超えて愛され続けるもの。
そこには、もの本来の価値、
将来的にも品質を維持できる体制、
そして何よりも絶やすことなく
継承しようとする人々の強い思いがあります。
世代を超えて愛され続けるもの。
そこには、もの本来の価値、
将来的にも品質を維持できる体制、
そして何よりも絶やすことなく
継承しようとする人々の強い思いがあります。
安比塗について解説するページです。
江戸時代末期からこの地に根付く漆文化、安比塗の歴史、
安比塗が育つ風土、人物などについて綴っていきます。
記事は徐々に増やしていく予定です。
漆器づくりには木地と呼ばれる木材とその木地に塗り重ねる漆が使われます。安比塗は木地も漆も100%天然の素材を選んでいます。自然から生まれた、人にも環境にも優しいうつわです。
漆の精製技術や塗りの回数は、漆器の堅牢性を左右する重要な要素。 安比塗の制作には、岩手県工業試験場(現・県工業技術センター) が深くかかわり、漆本来の特性を生かした技法を確立しました。
安比塗のデザインはシーンやシチュエーションを選ばず、いつまでも飽きがこないシンプルさが特徴です。また漆絵や蒔絵などの加飾を施さないため、純粋に塗りの美しさが堪能できるのも魅力です。
安比塗の原型となる木地はすべて国産材を使用。ミズメザクラ、トチ、セン、ケヤキなどを中心に木のゆがみが出にくいものを厳選し、また丈夫で割れにくい縦挽の木地を選んでいます。
現在、日本で使われている漆の約98%は外国産のものです。安比塗には、いまや希少となった岩手県産の漆を使用。国産漆ならではの安心感があり、混じり気のない柔らかな光沢を放ちます。
漆は温度や湿度、さらに精製作業によって粘度や光沢が変わってしまう繊細な素材です。安比塗では、季節や天候を考慮しながらすべての漆を工房内で精製しているため、 つねに同じ品質が保てるのです。
漆の精製や塗りにおいて高度な技術とノウハウを有する安比塗では、 漆器のカケやキズの修理や、漆の塗り直しにも対応。万全のアフターケアこそが、安比塗を長年使い続 けられる一番の理由です。
安比塗には塗師を育成する安代漆工技術研究センターがあり、開設以来多くの修了生を輩出してきました。そこには将来的にも品質を維持し、販売した漆器に対して責任を持とうとする姿勢があります。
長く使って欲しいからこそ、時代に左右されないシンプルなデザインに仕上げた安比塗。どんな料理にも自然となじみ、普段の食卓にちょっとした特別感を添えます。家族で過ごす時間をより豊潤なものに変えてくれるうつわです。
漆器生産から特注品制作、アフターケアまで行う安比塗漆器工房。その確かな技術を、安代漆工技術研究センターが育んでいます。藩政時代から続く漆器づくりの伝統を継承し、実践的な指導で塗師を育成。安比塗だからできる未来への約束です。
縄文時代からウルシの木が多く自生する八幡平市を含む北東北一帯は、日本有数の漆の産地として上質な生漆を産出するとともに、古くから生活に根ざした漆器がつくられてきました。この漆の里で絵付け体験ができます。